気泡安定液工法とは

ソイルセメント地中連続壁や地盤改良工法等において掘削土に気泡及び水を添加し混練することにより掘削土に流動性、止水性を付加し、その結果施工性の向上を図る工法です。本工法を採用すると排泥土量の削減効果が大きく、施工機械の稼働率が向上し、セメント使用量の削減等が得られるので、SDGsに貢献し、施工費用の削減につながります。

気泡安定液の基本性能

地盤掘削時に掘削土に気泡さらに水を添加し混練するとこの気泡混合土は流動性と止水性が増加し密度が減少する。この特性を利用した工法として気泡シールド工法や軽量盛土工法が挙げられる。気泡混合土を構成する土、水、気泡の密度は各々、2.7、1.0、0.04g/cm3 と大きな差があるにもかかわらず、それらの配合量が適切である場合にはそれらは分離することなく懸濁状態を保つ。この状態の気泡混合土を気泡安定液と称している。

ソイルセメント地中連続壁方法ではこの気泡安定液を使用した工法である。

地中に掘削した溝を気泡安定液で満たすと溝壁を保持する機能があるのでソイルセメント地中連続壁等の施工時の安定液として利用できる。

気泡安定液工法

気泡安定液は気泡シールド工法や軽量盛土工法等の既往の知見、技術を踏まえて考案されたものであり、“掘削土砂、気泡及び水の均質な混合体であり、溝壁の安定性、止水性、流動性等に優れた安定液”と定義できる。しかしながら、気泡安定液の物性は、添加する気泡量、水量のみならず掘削土砂の粒度、コンシステンシー特性の影響も強く受ける。したがって、適切な管理指標を設け、気泡と水の添加量により調整を行いつつ掘削管理を行う必要がある。

気泡安定液工法の種類

気泡安定液を使用する工法として以下の工法が挙げられます。

ソイルセメント地中連続壁工法

上記の工法はソイルセメント地中連続壁の施工時に各々CSM施工機、TRD施工機、SMW施工機を使用し、気泡安定液を使用した施工法です。

深層地盤改良工法

Demi-Air工法は深層地盤改良機を使用し、気泡安定液を使用した深層地盤改良工法です。

高速ソイルセメント地中連続壁工法

ソイルセメント地中連続壁の施工において、掘削能力の高い施工機(ex.柱列式施工機、以下SMW機)と混合性・品質に優れた施工機(ex.水平多軸施工機、以下CSM機)を使用することにより、SDGsに貢献度大、施工単価削減、施工日数短縮に優れた施工法である。

気泡安定液の特徴